2012年3月24日土曜日

希望をもてない被災地と域外で風化する大震災

2012年3月22日
希望をもてない被災地と域外で風化する大震災


東北大震災から一年が経ち、日本に住む多くの人々が、あの日の惨状を思い起こし、犠牲者の冥福を祈った。被災地の復興は議論すれど実効策は未だ見えず、人々の善意の賜物の多額の浄財もどこにどうなったのか、被災地の本格的復興の実現には役に立っていないと聴く。被害の激しかった南相馬市の桜井市長は「原発に対する安全神話の中で人々が生活していたが、警察無線で“キノコ雲が発生した”の一報で人々が逃げ惑い、大渋滞が発生した、3/11から現地の復興は、一割も進んでいないと嘆く。現地市役所でやりたいことは五万とあるのに、現場感覚のない中央官僚が保身集団と化し予算配分や具体策を実行に移さない。被災している自分たちが何故、永田町に頭を下げなければならないのか。」と無責任の上に使命感もない、政治状況に怒りを隠せない。
マスコミもこうした被災地の声や大震災の本質に迫る報道は日々に疎しで、3/11は記念日的扱いになりつつある。日本人の絆とか、東北は強いという美談はどのニュースにも現れるが、被災地以外の人々の心の中では少しずつ風化しはじめてはいないか。
折も折、被災地以外の地域では全国至る処で年度予算消化のための道路工事や不要な補修工事がたけなわである。こんな時位、余った予算、否、通常予算を削ってでも被災地に回すというような民間であれば、何でもない知恵が役所にはない。そして野田首相の増税策であるから、私達の怒りはおさまらない。でも誰も騒ぎもしないし、テレビ前の視聴者は毎日のように歳費をムダにして繰り返される国会の茶番劇を他人事のように溜息まじりで見ている。
もともと予算などのおカネの使い方を左右する経済はラテン語のオイコノミー(家計のヤリクリ)が変化しエコノミーになった。家計の要諦は「入るを計り、出ずるを制す」ことである。今年度と来年度と当分の間、税収は極端に落ち込むはずである。更に増税となれば先を見ることにたけた経済人や企業は日本から出てゆき、原発汚染の風評絶えない日本に来る企業・留学生・観光客は激減し、これまで培ってきた良き日本の風土はまさに地に落ちた状況になりかねない。今の政治家や官僚は税のもともとの語源である「禾=収穫物から、 =盗る」ことしか知らない。企業や人々が高すぎる税金に夢や、やる気を亡くすことが、いかに経済を停滞することになるかを知らない。もともと、物不足の時代を支えた、耐久消費財の生産で富を築いた幸之助さんが、二十一世紀の展望を同様な手法で政治家を育てようとした方法に語びゆうがあった。潜在的功名心の強く、身体の弱かった同氏は鉄の結束で社員を鼓吹し、同業他社を敵のように考え業界を席捲した。娘婿に貴族をもらい、何人かいたと云われる妻妾には、何人かの隠し子がいて、二代前の社長は同氏にそっくりの風貌をしている。しかしマスコミやPHPなどの何処からもそんな風評は伝わってこない。松下政経塾出身者の何と、20%もの人が国会議員になったことも驚異であるが、彼等は殆ど実際のビジネスで成果を出したり、倒産の浮目にもあったこともない。自助努力や信用や金銭の大切さを膚で感じて知っている人など殆んどいない。かすかに入塾時にあった志はのこっているが、実践の裏付けのない志は幸之助氏が買ったおかげでものの見事にリーダシップのない政治家を輩出しただけになりつつある。これでは松下損塾ではないか。今の政治家のリーダーシップに必要なのは目利きと決断である。損塾でこれを会得することは難しい。実践の中にしかない。


未来の見えない政治家

「今の日本で、子供を産み育てたい」と百%願える若者がどの位いるだろうか。未だに第二の福島原発が起こりかねない状況の中で終息宣言をするノー勘な首相、マスコミを始め、官僚・大企業・大学の先生たちは一人も「脱原発」を口にしない。脱原発を宣言できないとする多くの保守派の人々は恰も根治できない病の原発病巣を隠したまま、延命すれば、幸福な未来があるとでも思っているのだろうか。脱原発を先進国に先がけてやったドイツはもともと技術立国で東西ドイツの難事業であった統合を成し遂げ原発の是非に関する情報においても日本より先進国である。原子力の平和利用とは云え、唯一の被爆国である日本が、何故戦後間もない頃この劣悪な沸騰型原子炉を導入したのか。混乱のさ中にあった、産・官・学の一部の利権亡者が各々の業界の覇権を取るために、東電が震災後、尚も懲りずにとっている営業政策(マスコミ懐柔・事実情報隠ぺい・協力者への裏献金等)のような手法を使って米国、GEの力を借りて戦後の悪しき政治体制を作り上げて来たからに他ならない。多分小生の見解では復興予算などは一時的にゼネコン関係者を潤し地域政治家の新たな利権になるだけで、本格的な復興は結局のところ地元の篤志家や地域のリーダーの出現に委ねられることになるだろう。
こうした中で未だに原発の再稼働等あり得ないと思うのだが政治家のみならずマスコミ、大企業経営者の論調は「原発に頼らざるを得ない。」である。聴くところによると、東電は供給能力を15%程度過少表現をし、需要を15%多く見積もっているらしい。現在の発電量の30%程度を原発が給っているとすれば、不足は10%程度か、それ以下であると訴える専門家もいる。何しろ、東電は事実情報を隠ぺいするか、発表しても信頼性が乏しいので、これ程までに国民生活を恐怖と不安に陥れているからには、政府が強権を発動して本当の事実を明らかにすることが急務である。一日も早く脱原発宣言をすれば、被災地の復興活動は本格的除染と未来に向けて動き出す。自然エネルギーと再生可能なエネルギーへの研究・開発も大いに進み、新しいエネルギー活用と節約に国民の理解も深まる。何よりも日本を閉塞させている少子化に歯止めがかかることも期待できる。当面のエネルギー供給は、増税論で停滞している企業活動を優先し、家庭での節電に努め太陽と自然の恩恵を国民が改めて認識するために夏時間(サマータイム)制を導入して省電力を図ることも即効性があると思う。

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